
風景写真の構図の基本|主役と脇役の決め方と三分割法をプロの視点で解説
同じ場所で撮ったはずなのに、隣の人の写真のほうが良く見える——。その差の多くは、機材でも設定でもなく構図にあります。
この記事では、プロの風景写真家でt-photoクラブ講師の秦達夫の監修のもと、風景写真の構図を「型のカタログ」ではなく判断の順序から解説します。三分割法などの型を覚える前に、先に決めるべきことがある——ここが上達の分かれ道です。
構図とは、主役を画面のどこに置くかを決めること。主役と脇役の置き方ひとつで、写真の印象は一転する。
構図とは「主役をどこに置くか」を決めること
風景写真の相手は自然です。天気も、光も、季節の進み方も、撮影者にはコントロールできません。その中で、撮影者が自分の意思で決められる数少ない要素のひとつが構図——被写体(主役)を画面のどこに、どんなバランスで配置するかという判断です。
秦先生は、風景写真で撮影者が自分で決められる要素を「構図」「タイミング」「露出」の3つと捉え、この3つの判断を確実にすることが作品のレベルを上げるいちばんの近道だと考えています。この記事はその1つめ、構図の話です(タイミング編・露出編もあわせてどうぞ)。
型より先に、「主役」と「脇役」を決める
構図というと三分割法などの「型」を思い浮かべる方が多いのですが、型に当てはめる前にやることがあります。
主役をひとつに絞る
目の前の風景が美しいと、つい全部を画面に収めたくなります。けれど、全部を主役にした写真は、結局どこも主役に見えません。「桜を撮るのか、山を撮るのか、空を撮るのか」——まずこの写真の主役は何かを自分に問う。ここが構図のスタートラインです。
脇役は、主役より小さく
主役が決まったら、次は主役を引き立てる脇役を探します。画面づくりの手順はシンプルです。
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1
主役が大きく写るように配置する
写したい被写体(主役)が画面の中で存在感を持つ大きさになるように位置を決めます。
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2
脇役を主役より小さく配置する
主役を引き立てる存在(背景の山並みなど)を探し、主役より小さくなるように画面を整理します。
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3
主役と脇役が画面に収まるよう全体を調整する
両者の関係が伝わるように、立ち位置やズームで画面全体のバランスを整えます。
主役と脇役の大小関係がはっきりするだけで、「何を見せたい写真なのか」が一目で伝わるようになります。

基本の型① 三分割法──迷ったらまずこれ
主役と脇役の関係ができたら、次の段階は広がりや奥行きといった空間をつくることです。ここで初めて「型」の出番です。
三分割法の使い方
画面を縦横それぞれ三分割し、そのライン上や交点に、主役や水平線などの区切りのよい部分を重ねる方法です。主役をあえて中央から外すことで画面に動きが生まれ、バランスのよい安定した写真になりやすい。風景写真でもっとも頼れる基本の型です。
日の丸構図が単調になりやすい理由
主役を画面のど真ん中に置く「日の丸構図」は、安定感がある一方で、ありきたりで面白みに欠けた印象になりやすい構図です。ダメな構図というわけではありません。ただ、毎回無意識に中央へ置いてしまうのは「構図を選んでいない」のと同じこと。中央に置くと決めた理由を言えるかどうかが分かれ目です。
二分割構図で雄大さを出す
空と海、空と山並みのように、画面を上下ふたつに大きく分ける構図もあります。要素を思い切って減らすぶん、雄大さや静けさが際立ちます。三分割法とあわせて、「どの線で画面を分けるか」という視点を持つと構図の引き出しが増えます。
基本の型② 奥行きをつくる
風景写真は、三次元の世界を二次元の画面に写し取る表現です。平面的に見えてしまう写真から抜け出すには、奥行きの演出が効きます。
前景を入れて立体感を出す
手前(前景)・中間(中景)・奥(遠景)の3層を意識して画面を組み立てると、写真に立体感が生まれます。たとえば手前に花、中間に湖、奥に山。前景がひとつ入るだけで、見る人はその写真の世界に「入って」いけます。
線で視線を奥へ導く
道、川、木道、柵——画面の中の線状の要素は、見る人の視線を奥へと運びます。線の先に主役を置けば、視線は自然と主役にたどり着きます。
実践: 桜と雪山──主役が画面の半分以上を占めるように
ここまでの考え方を、秦先生が長年撮り続けてきた春の定番シーン「桜と残雪の山」で確認してみましょう。
- 主役: 満開の桜。画面の半分以上を占めるくらい思い切って大きく入れると、桜の印象が一段と強くなります
- 脇役: 背後の雪をまとった山並み。主役より小さく、桜を引き立てる位置に
- 背景: 青空。桜の淡い色は、爽快な青空を背景にするとよく映えます
現場に着いたら、慌ててシャッターを切らずに被写体の周りを歩いて、主役がいちばん美しく見える位置を探す——秦先生が実践するこのひと手間も、構図づくりの大切な一部です。「桜がきれいだから撮る」から一歩進んで、「桜を主役に、山を脇役に、青空を背景に」と画面の役割を言葉にできたとき、構図は偶然ではなく設計になります。

構図は「評価される」と伸びる──独学の壁
ここまでの内容を現場で実践すれば、写真は変わり始めます。ただ、構図の上達には独学特有の壁があります。自分の構図の何が良くて何が惜しいのか、自分では判断しづらいのです。
SNSの「いいね」は励みになりますが、構図のどこが効いていたのかまでは教えてくれません。撮っても撮っても手応えの根拠がつかめない——そんな伸び悩みを感じている方は、風景写真が上達しない理由を掘り下げたこちらの記事もあわせてお読みください。
プロが「構図」を含む5軸で評価してくれる
t-photoクラブは、プロの風景写真家・秦達夫が講師を務める会員制のフォトコミュニティです。投稿した作品には、秦先生から構図・タイミング・光(露出)・技術・視点の5つの軸に沿った評価が届きます。
「この写真は構図が良い」——それをプロの目で示してもらえると、自分の強みと課題が分かれて見えてきます。この記事で学んだ主役と脇役の整理が実際の作品でできているか、答え合わせができるわけです。

成長カルテで「構図の伸び」が見える
t-photoクラブでは、5軸の評価が成長カルテとして毎月スコア化されます。構図のスコアが月を追って伸びていく。あるいは、構図は強いがタイミングに課題がある——そんな自分の現在地がレーダーチャートで見えるので、次に何を練習すべきかが明確になります。

会員の実作品から学べる
構図の学びは、他の人の作品とそこに付いた評価を見ることでも深まります。実際に会員が投稿した最近の作品をご覧ください。









よくある質問
三分割法だけ覚えれば十分ですか?
まずは三分割法で十分です。ただし型はあくまで空間を整える道具で、その前に「主役と脇役を決める」判断が必要です。主役が決まっていない写真は、どの型に当てはめても締まりません。
日の丸構図は使ってはいけないのですか?
いけなくはありません。主役の存在感を真正面から見せたいときには有効です。大切なのは「中央に置く理由」を自分で説明できること。無意識の日の丸構図から意図した配置に変わることが、上達の一歩です。
スマホでも構図の練習はできますか?
できます。構図はカメラの性能ではなく配置の判断なので、スマホのグリッド表示(三分割線)をオンにすれば、主役の置き方や線の使い方は日常の中で十分トレーニングできます。
構図がうまくなっているか、どうすれば分かりますか?
経験豊富な第三者からの継続的なフィードバックがいちばん確実です。t-photoクラブでは、プロの写真家が構図を含む5軸で作品を評価し、月ごとのスコア推移として可視化されるので、構図の伸びを客観的に確かめられます。
構図の上達は、「主役はどれか」と自分に問うことから始まります。そしてその判断が合っていたかどうかは、評価されることで初めて分かります。プロの評価と成長の可視化がある環境で、風景写真を本気で伸ばしてみませんか。
料金プラン
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- ✓プロの写真家による5軸スコア評価
- ✓成長カルテによる実力の可視化
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- ✓バッジ・レベル獲得による継続モチベーション
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監修: 秦 達夫(はた・たつお) 写真家・t-photoクラブ講師。日本各地の自然風景を撮り続け、OM SYSTEM GALLERYなどで写真展を開催。t-photoクラブでは会員作品の評価・指導を担当している。
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